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心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションについて考えたり思ったりしていることをつらつらと書いています。

行動変容のステージモデル(関心期 問題編)

前回からの続き

 行動変容のステージモデル(導入編) - 心臓リハビリテーションのまにまに

行動変容のステージモデル(無関心期) - 心臓リハビリテーションのまにまに

 

前回は無関心期の患者さんの特徴と関わり方についての話でした。

今回は関心期の患者さんについてです。

関心期とは

関心期は、ある行動をした方がいいとは思っているが、実際の行動に移せないという状態です。

例えば、ウォーキングをしたほうがいいのは分かってるけど時間がなくてできないなあ、みたいなケースですね。

関心期は、ある行動をする理由と、その行動をしない理由(できない理由)が綱引きをして、行動しない理由が勝っている状態です。

f:id:shinrihataro:20170527212011j:image

実際のところ、この「しない理由」を覆すのはエネルギーのいる場合が多いです。

何故なら人間には現在の状況に安住したい性質があるからです。

分かりやすくなるよう例えで説明してみます。

行動を変えることを荷物の運搬に例えてみると

慣性の法則というのがありますよね。

外からの力が無ければ、止まっているものは止まり続け、動いているものは動き続けるという物理学の法則です。

また、重い荷物ほど地面との摩擦力(抵抗力)が高くなりますし、地面の滑らかさにより、その摩擦力は変化します。

つまり重い物ほど押す力がいるし、抵抗が高いほどもっと押す力がいるということです。

そして、止まった荷物は、荷物の重さと摩擦力を上回る力をかけて初めて動き出すのです。

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行動のハードルの高さは荷物の重さ

人の心にも慣性の法則のようなものがあり、基本的に変化を嫌い、同じ状態を保ち続けようとします。

これを行動の面から見ると、人はいつもと同じ行動をし続けるものだということです。

現在の行動を別の行動に変えるのは、それが例えば望ましいことであってもエネルギーが要るというのは自分に当てはめれば納得できる人が多いのではないでしょうか。

そして、その行動のハードルが高ければ高いほど、重い荷物になるというのも感覚的には分かりますよね?

例えば全然身体を動かしていない人が運動としてウォーキングを始める場合を考えてみましょう。

週に1回10分歩くのと、毎日30分歩くのでは、後者のほうがハードルが高いですよね。

これは行動に対する心理的負担、つまり心の荷物が重いということです。

重い荷物はかなり強い力で押さないと動きません。

最初から理想的な行動目標を達成することを目指すと大体失敗しますが、その理由は荷物が重くて動かすことができない、ということなのです。

しない理由、できない理由は摩擦力

次に摩擦力(抵抗力)である「しない理由」にいて考えてみましょう。

人がある行動をしない(できない)理由には

  • 〜がない(時間、お金、道具、人の協力など)
  • 行動するのが精神的、肉体的にしんどい
  • 反対する人がいる
  • しないほうがメリットがある

などがあります。

先に述べたように、このような「しない理由」「できない理由」とは人間の心や行動における摩擦力のようなものです。

摩擦力を決める二つの要素は

  1. 荷物の重さ(行動のハードルの高さ)
  2. 地面の滑らかさ(心理的抵抗感)

です。

摩擦力は荷物が重いほど大きくなります。

ハードルが高い行動、つまり心理的荷物が重いほど心理的な摩擦力が大きくなりますので、実際の行動に移すことが難しくなります。

また、その人自身の考えや精神状態、周囲の環境などが行動を邪魔するような場合は、地面の滑らかさが少ない、ザラザラのアスファルトの上のような状態です。

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ザラザラのアスファルトの上で荷物を押そうとしても、摩擦力が強いせいで荷物が動かないか、動き出してもすぐ止まってしまいますよね。

ですので、はじめに挙げた

  • 〜がない(時間、お金、道具、人の協力など)
  • 行動するのが精神的、肉体的にしんどい
  • 反対する人がいる
  • しないほうがメリットがある

場合は、その人の心理的負担が大きい、つまり地面がザラザラで摩擦力が高いため、そもそも行動に移せないか、行動し始めてもすぐ辞めてしまう、ということが起きるのです。

この記事のはじめの方で、「しない理由」をくつがえすのはエネルギーがいる、と言いましたが、それはこのようなザラザラの地面を滑らかにするには結構大きな工事が必要だからです。

人の心や考え方を本心から変えて、素直な状態、つまり表面を滑らかにすることはかなり難しいです。

またその人自身の問題ではなく周りの人や環境が問題の場合は、その問題を解決するような方法がなく、地面の工事ができない場合も多いです。

人の心や、その人の周りの人の心・行動、周りの環境を変えるのは難しく、場合によっては心理カウンセリングや社会支援などが必要になる場合もあり、ここに気軽な気持ちで直接アプローチしようとすると、患者さんとの関係性をこじれさせる可能性があります。

どうしてもアプローチする必要がある場合は、自分1人で勝手に進めるのではなく、同僚や他職種に相談し、その力、を借りるほうが無難かもしれません。

 

少し長くなったので次回に続きます。

 

 

かかりつけ医必携!  地域包括ケア時代における行動変容と継続支援

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健康のための行動変容―保健医療従事者のためのガイド

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あなたはコーヒーにフレッシュ入れる派?

こんにちは、心リハ太郎です。

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突然ですが質問です。

あなたはコーヒーにフレッシュを入れますか?

それともミルクを入れますか?

どっちも同じじゃないの?と思ったそこのアナタ。

フレッシュとミルクは同じようでいて全くの別物ですよ?

フレッシュの成分は?

フレッシュは何から出来ているか知っていますか?

実はフレッシュの主成分は植物油と水です。

牛乳成分は含まれていないんです。

水と油はそのままだと混ざりませんので、ショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤と呼ばれる物質とミルクらしい風味にするためのいくつかの添加物を使います。

乳化剤は別名を界面活性剤と言います。

あれ?界面活性剤ってどっかで聞いたことある名前じゃないですか?

そうです。洗たく洗剤とか食器洗い洗剤でよく見るアレです。

洗剤に使われる物質をわざわざ飲んでいるんです。

あとは日持ちを良くするためのpH調整剤、風味を出すための有害性の高いカラメル色素や各種香料、トロミを出すための増粘多糖類など、添加物がてんこ盛りの素敵な化学物質、それがフレッシュです。

実際に動画で見ると分かりますが、水と油と乳化剤などをまぜるとあら不思議、白い液体に早変わりです。

【実験動画】 えっ!マジで! コーヒーフレッシュってミルクじゃなかったの?!!! - YouTube

フレッシュは動脈硬化を引き起こす

植物油なら植物から出来た油だから身体に良さそうと思う方もいるかもしれませんが、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸といわれる油以外のサラダ油、キャノーラ油など、一般的に使われる植物油は動脈硬化を引き起こすトランス脂肪酸を多く含みます

そもそもフレッシュは日本に乳牛があまりいない時代、そして運送・冷蔵技術が発達しておらず牛乳を新鮮なまま輸送・保存することが難しかった時代に、その代わりとして開発された代用品なのです。

ヨーロッパなどの牛乳が身近な地域ではこんな訳のわからないものは使っていません。

運送や冷蔵技術の発達した現代では実は無用のものとも言えるでしょう。

しかし、多くの人はフレッシュもミルクだと思って飲んでおり、それが単なる油であり身体に悪いなどとは考えてもいないわけです。

あなたはコーヒーにサラダ油を入れようと思いますか?

でもフレッシュを入れている人は同じことをしているんですよ。

コーヒーにはミルクを入れよう

もしコーヒーをブラックで飲まないのなら、人工的に作られたフレッシュ、つまりサラダ油ではなく、ミルクを入れた方がよいでしょう。

コレステロールが気になる場合は低脂肪乳でもよいと思われます。

そもそもフレッシュを単独で飲んでみるとはっきり言って不味いですから、そんなものを入れるくらいなら美味しいミルクを飲むほうがよいでしょう。

患者さんの中には、1日に何杯もコーヒーを飲む人がいますが、もしその人が毎回フレッシュを入れているならば、それが動脈硬化を引き起こす原因の一つになっているかもしれない事を伝えましょう。

そしてせっかくならコーヒーは訳のわからぬ油を入れずに美味しく飲みましょう。

ではでは。

EZRの使い方についてのおすすめ書籍5選

心リハ太郎です。
こちらの記事でEZRをおすすめしましたが、基本的な使い方のコツがわかるまでは苦戦する人も多いのではないでしょうか。
EZRは素晴らしい統計ソフト - 心臓リハビリテーションのまにまに

SPSSSASなどの統計ソフトをある程度使ってきた人は、しばらく使うとなんとなく使えるようになりますが、正直なところ、統計処理するのは初めてです、って人の場合は苦戦どころか全くわけわからず跳ね返されると思います。
こちらのブログさんでは見事に跳ね返されてますが、普通はこうなります。
少しもEasyでないEZR:龍渓論壇:So-netブログ

私はSPSSを7年ほど使ってましたのでなんとなくわかりましたが、結果の出かたもなかなか読みづらいところがあって、やはり本がないと厳しかったのではじめに本を2冊買いました。

おそらくEZRの使い方をググってもあまりよい情報は出てこないでしょう。
なぜなら作者が出している本を読めば大体の解決策が一発でわかるからです。
わからないとすると統計手法に関する知識がないからですが、その辺についても本では解説されてますので、結局本を読んだ方が理解が早いです。

SPSSなどが10万円以上することを考えれば、EZRは無料で使えるわけですから、全くの初心者であれば、本を一冊買うくらいの投資はしてみてもよいのではないでしょうか。
EZRの作者である神田先生の本を買っておけば基本的には間違い無いですし、開発費の足しにもなると思います(関係者じゃないのでわかんないですけど)。

こちらの本はインストール用のCDも付いてますし、EZRの使い方が網羅されてますので、導入から応用までずっと使える一冊です。
私も使ったことのない統計手法を利用するときはこの本にいつもお世話になっております。
まずはこの一冊を買っておけば間違いないので、迷ったらこれを買いましょう。

EZRでやさしく学ぶ統計学?EBMの実践から臨床研究まで? 2版

EZRでやさしく学ぶ統計学?EBMの実践から臨床研究まで? 2版

あんまり難しい統計手法は使わないからなるべくわかりやすい方がいいって方はこちらがよいです。
EZRの作者の神田先生が書いている、初心者向けバージョンですね。
t検定とかウィルコクソンとか相関係数とか、初歩的な検定を使うだけならこの本でいいでしょう。

初心者でもすぐにできるフリー統計ソフトEZR(Easy R)で誰でも簡単統計解析

初心者でもすぐにできるフリー統計ソフトEZR(Easy R)で誰でも簡単統計解析

後の事を考えると心リハ太郎的には1冊目に紹介したEZRでやさしく学ぶ統計学?EBMの実践から臨床研究まで? 2版を買った方がお得とは思いますが。

わかりやすさを重視し、かつ多変量解析は使わないって方はこちらの新谷先生の本をどうぞ。
EZRの使い方と統計解析の基礎について解析されています。文体も神田先生の本に比べるとかなり柔らかめで読みやすい上に、解説としてはかなり詳しいので使いでがあります。
またサンプルデータをダウンロードして実際に統計処理の練習をすることができますので、実戦的な内容となっています。

みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター! (KS医学・薬学専門書)

みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター! (KS医学・薬学専門書)

多変量解析解析の方法をわかりやすく知りたい、って方は新谷先生のもう一冊の方を。EZRと多変量解析についての説明が載っており、基本はわかるっている方向けですね。
傾向スコアなどの新しめの解析手法などについても解説があるので、中規模から大規模のデータを扱う人は必見と思います。

あとはEZRの解説書ではないですが、上の2冊の著者である新谷先生が書いた統計解析の解説書は、数式なども極力使わず、しかも具体例を示しながらわかりやすく書かれており、こちらも良書です。
こういった本を一冊持っていると、何か困ったとき、研究発表や論文を書くときに必ず役に立ちますので、手元に置いておくとよいでしょう。

今日から使える 医療統計

今日から使える 医療統計

本で使い方の勉強をして、EZRを自由自在に使いこなせるようになりましょう!
ではでは。

医療界にディープラーニングの波が到来

日経ビジネスオンラインでAIに関する興味深い記事があったので紹介します。

ついにディープラーニングの手法を診断に取り入れようとする病院が出てきました。

AIブームは「1本のメール」で始まった:日経ビジネスオンライン

 「数年前には考えられないような価格で手に入るようになったからだよ」

 米マサチューセッツ州ボストン。「世界最高レベルの病院」とも言われるマサチューセッツ総合病院で、最先端のAI(人工知能)医療が進んでいる。大量の画像をAIに学習させて、肺がんの早期発見や子供の骨年齢の分析をAIが担当する実験が、既に実証段階に入っている。

この背景にはGPUという画像処理に特化された半導体の技術進化があり、自動運転などの分野でGoogleアウディトヨタなどの大手企業がこぞって採用していますが、その波がついに医療、研究の分野にも波及してきたわけです。 

実際のところは大量のサンプル画像を必要とするため、全ての分野にはまだ応用ができないでしょうが、多施設の医療機関が参加するプロジェクトなどが始まれば、一気に花開くものと思われます。

これまでのディープラーニングの進歩を考えるとあと3-5年程度で実用化されてもおかしくないのではないでしょうか。

【参考記事】

医療においては人工知能の成長コストは大きな問題にならない - 心臓リハビリテーションのまにまに 

ソフトバンクはAI事業への進出を以前から喧伝していますが、ついにGPUの覇者エヌビディアの買収に乗り出すかもしれないようですね。

ソフトバンク孫社長が次に狙う大型投資「AI半導体の覇者」 | inside Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

個人的には、人間の認知能力には時間的、物理的限界があるため、画像診断を含む診断行為は高性能のコンピュータが行う方が高速かつ正確であり、最終的には人間全体の幸せに貢献できるだろうという立場ですので、早期に実用化されることを願っています。

 

 


 

 

行動変容のステージモデル(無関心期編)

前回からの続き
行動変容のステージモデル(導入編) - 心臓リハビリテーションのまにまに

前回の導入編では行動変容のステージモデルについて、5つのステージからできていること、患者さんの心理的変化を捉えられることが特徴であることをお話ししました。
ここからはステージ毎にそれぞれの特徴と考え方について述べていきます。

無関心期(前熟考期)の特徴

無関心期は前熟考期とも言われます。
ある行動をするかどうかについてほとんど考えることもない、または、するつもりがないという状態です。

無関心期の中には、なぜその行動が重要なのかの理由を知らないという場合があり、重要性について説明すれば無関心期から抜け出す人もいます。

また、病気についての説明を十分に受けておらず、説明不足による不安や不満、怒りなどにより、話が耳に入っていかないというケースもあります。
このケースは患者さんの知的能力が高いことも多く、その場合は専門的かつ分かりやすい説明が重要になります。
医療者の専門性や説明能力の高さが求められますが、病気やこれからの治療方針について、患者さんの思いも受け止めつつしっかりと説明し、理解してもらいながら同意を得ていくことで不安や怒りが解消し、無関心期を脱することもあります。

ただ、それ以外の無関心期の人は、そもそも行動を変えるつもりがないことが多く、この場合は行動変容のステージの中では接しにくいと感じるケースが最も多くなります。

無関心期の患者さんの態度として主なものには

  • 怒り出す
  • 医療者をバカにしたような態度をとる
  • 自分には関係ないと言ったりそういう態度を見せる
  • 聞いているフリをするが話を合わせているだけ
  • 全く違う話を始めたりしてはぐらかす

などがあります。

患者さんの性格や医療者との関係性、病気についての理解度によって、上に挙げたどのパターンの態度が出てくるかは様々ですが、無関心期に共通するのは「あなたとはこの問題について真摯なコミュニケーションを取るつもりはない」ということを、言葉あるいは態度で示しているということです。
関心がありそうなフリをしている場合でも、どこか通じてない感じがある時は無関心期と思って接することが打開策になるかもしれません。

無関心期の人への関わり方

無関心期の患者さんに対する医療者の関わりでよくみられる二つのパターンは、医療者が面倒臭くなって諦めたり積極的に関わらなかったりするパターンと、相手が嫌がっている事に医療者が気付けず無理を押し通して患者さんとの関係性を壊すパターンです。

どちらも患者さんが病気について理解し、治療をしていく妨げとなる関わり方ですが、こういう関わり方をしている人がかなり多いのではないでしょうか?

無関心期の人に関わる際に重要なのは、相手を理解しようとすること、またその人を無関心期であることも含めまずは許容することです。
許容するには「課題の分離」という考え方が参考になります。

【参考記事】
心臓リハビリテーションにおける課題の分離 - 心臓リハビリテーションのまにまに

人間は自分のことを理解したいと思っている人や自分の立場になって考えてくれる人の言うことには耳を傾けようと思うものです。
つまり、無関心期は医療者側の人間力が最も試されるステージだと言えます。
人間が持つたくましさ、困難を乗り越える内的な力のことを「SOC(Sense of Coherence)と言うそうです。
SOCについてはこちらで紹介しています。

【参考記事】
働き続けられるカラダとアタマを育てよう - 心臓リハビリテーションのまにまに

無関心期の方に向き合うことであなたの人間としての能力であるSOCが高まり、その患者さんではだめでも、次の患者さんにその経験が活かされるかもしれませんし、その患者に次に会う際に経験が活きるかもしれません。

無関心期の場合、急がば回れということわざにもあるように、まずは人間的な関係性の構築から始めることでその先に進めるケースが多いですし、自分を成長させると言う意味でもその人に向き合う姿勢を保つことは意義がありますので、諦めずに、また押し付けにならないように、関わる努力をしてみるとよいでしょう。

次回に続く
行動変容のステージモデル(関心期 問題編) - 心臓リハビリテーションのまにまに

かかりつけ医必携!  地域包括ケア時代における行動変容と継続支援

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健康のための行動変容―保健医療従事者のためのガイド

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働き続けられるカラダとアタマを育てよう

心リハ太郎です。
日経ビジネスオンラインに面白い記事があったので紹介します。
現実、企業は50歳以上を“使う”しかないのだ:日経ビジネスオンライン

詳しくはリンク先をお読み頂けると分かりますが、簡単に言うと、

  • 2020年には20歳以上の10人に6人が50代以上となり、50代以上を企業や組織の中でどう活用するかを考えなくてはならない時代になってきた
  • 現在の高齢者は以前よりも肉体年齢が10歳程度若く、また経験知や判断力などの結晶性知能も80歳くらいまでは20歳と同程度に保たれることが分かっている

ということだそうです。

つまり、我々は以前の高齢者に比べ、肉体的にも精神的にもハイスペックな状態を作り、それを維持する必要があるということです。

一部抜粋します。

 結晶性知能を高める方法として、近年、急速に注目されているのが「認知の予備力(Cognitive Reserve)」である。

 これは本を読んだり映画を見たりするなどして言語能力を高め、学校の勉強をし、仕事に主体的に取り組み、仕事以外の活動に積極的に参加することで、平たくいえば、よく学び、よく遊び、よく働くこと。仕事だけじゃダメ、勉強だけでもダメ。体と頭を使い、いろいろな人と交流することが「認知の予備力」につながっていく。

 認知の予備力は、私の専門である健康社会学や組織心理学の「暗黙知(tacit knowledge)」と極めて近く、「難しい相手との交渉」や「部下の心を掴む」など、特定の目標を達成するための手続き的な知識で、単なる仕事に関する知識や一般知識ではない。

 で、こういった経験を繰り返し、「大きな顧客をゲットできたぞ!」「○●君(部下)もずいぶんと成長したな」といった成功体験や、上手くいかなくとも「なるほど。そういうことだったのか!」と失敗から学ぶ体験で、暗黙知は飛躍的に伸びる。

 つまり、何だか古くさくて、説教くさいけど「若い時の苦労は買ってでもしろ」ってことが科学的に実証されているのだ。

対応の難しい患者さんや上司・同僚とのやりとりも無駄にはならないということですね。
あとはどんな経験や思考も糧になるということかな。
肉体的な機能維持についてはこちらでも書いています。

【参考記事】
超高齢化時代の退職への備え(身体編) - 心臓リハビリテーションのまにまに

人間のたくましさや困難を乗り越える力はSOCというそうです。知らんかった。勉強になります。

 人間が持つたくましさ、困難を乗り越える内的な力である「SOC(Sense of Coherence)」も、年齢と共に高まることが、国内外の実証研究の積み重ねによって確認されている。
 ピークは70代前半。先の結晶性知能と同じだ。
 で、高齢者のSOCは、「主観的健康、人格的成長(詳細は森下仁丹コラム)、経済的豊かさ、周囲の人たちとの良好な人間関係」が高さと関連があり、「経済的な不安定さ」はSOCを低下させる。
 さらに、他者に「教える」という経験が、高齢者のSOCを高めることもわかっている。
 暗黙知の高いオッさんと、記憶力の高い40歳以下の社員がタッグと組めば、互いに知能を補完しあえるし、生産性に貢献する化学変化が期待できる。

高齢者ではType Dパーソナリティが少ないという国内の調査結果もありますが、これは年齢とともにSOCが高まり、人間的成長を遂げる人が多いことを示しているのかもしれませんね。

人口構成などの社会的な環境や一人当たり賃金の低下、年金の減少などを考えれば現在の40代以下は高齢雇用が当たり前の時代になるでしょう。
その時に結晶性知能やSOC、また肉体的な虚弱を抱えていて、望む雇用をされなくてもやり直しは効きません。
我々はアタマとカラダを存分に使いながら一生懸命今を生き、その結果いい状態で高齢期を迎えられたらいいなと思いますね。

金銭的な備えとしてはiDeCoがあります。
これは是非活用しましょう。

【参考記事】
超高齢化時代の退職への備え(iDeCo編) - 心臓リハビリテーションのまにまに


なかなか示唆に富んだ記事でした。

ではでは。

ストレスの悪影響がわかるアニメーション

心リハ太郎です。
Gigazineで面白い記事を見つけたので紹介します。

ストレスは近年これまで考えられていた以上に身体に与える影響が広範で大きいと言われていますが、こういうアニメーションで観ると理解しやすいですね。
「ストレス」が身体に及ぼす悪影響をアニメーションで解説 - GIGAZINE

ストレスからのストレスホルモンの分泌などにより、高血圧、血管内皮機能低下、アテローム動脈硬化などの循環器への影響、胃や腸など消化器への影響、食欲増大、炎症性サイトカインの増加、その他様々な影響が身体全体に及びます。

しかし、これもストレスの元になる出来事や刺激をどう考えるかにより、大きく結果が異なるとも考えられています。

しかし、人生とはストレスであふれているもの。そのため、あなたの脳と身体がストレスにどのように対処するかが健康を維持する鍵となります。ストレスを感じさせる状況が訪れた時、それを脅威と見なさず、「克服すべき挑戦」と見なすことができれば、短期的には優れたパフォーマンスを発揮できるようになり、長期的にも健康でいることができるとのことです。

ストレスマネジメントとは、ストレスを感じない環境に身を置くことではなく、自分の心の持ちようにより、ストレスのかなりの部分が制御可能であるということです。

この辺りは自己コントロール感の話として、下の記事でも述べています。

【参考記事】
自己コントロール感の重要性について - 心臓リハビリテーションのまにまに

ではでは。